ChatGPTを使うと、市場調査の目的に合わせて質問項目のたたき台を短時間で作成できます。ただし、生成された質問をそのまま使うのではなく、調査対象者、調査目的、回答形式、誘導表現の有無を人が確認することが重要です。
ChatGPTで市場調査の質問項目を作成する手順
質問項目は、「調査目的を決める→条件を伝える→たたき台を作る→内容を点検する」という順番で作成すると整理しやすくなります。
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調査の目的を1文で決める
「新商品の購入意向を知りたい」「現在使っているサービスの不満を把握したい」など、何を明らかにしたいのかを書き出します。
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回答者の条件を決める
年齢、居住地域、職業、商品やサービスの利用経験など、対象者の条件を整理します。条件が曖昧だと、目的に合わない質問が作られる可能性があります。
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ChatGPTに調査条件を具体的に伝える
調査目的だけでなく、質問数、回答形式、想定回答者、調査方法、避けたい表現も指定します。
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質問項目を分類して作成する
利用状況、困りごと、重視する点、購入意向、属性などに分けると、質問の抜けや重複を確認しやすくなります。
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質問文を人が点検する
1つの質問で複数のことを聞いていないか、回答を誘導していないか、選択肢が不足していないかを確認します。
最初に入力するプロンプトの例
次のように、調査の目的と条件をまとめて入力します。角括弧の部分を自分の調査内容に置き換えてください。
あなたは市場調査の設計を支援するアシスタントです。 以下の条件で、アンケートの質問項目を作成してください。 調査目的:[何を明らかにしたいか] 調査対象:[年齢、地域、利用経験など] 調査方法:[Webアンケート、インタビューなど] 質問数:[質問数の目安] 回答時間:[回答者が使える時間] 調査対象の商品・サービス:[商品やサービスの概要] 知りたい内容:[利用状況、悩み、購入意向など] 希望する回答形式:[単一回答、複数回答、5段階評価、自由回答など] 条件: ・質問は回答者に分かりやすい日本語にする ・1つの質問で1つの内容だけを聞く ・回答を誘導する表現を避ける ・質問の目的と回答形式を表にする ・不足している前提条件があれば、先に指摘する
いきなり「市場調査の質問を作って」と依頼するより、調査対象と知りたい内容を具体的に伝えるほうが、目的に合うたたき台になりやすくなります。
質問項目を作るときの構成
市場調査のアンケートは、回答者が答えやすい順番に並べると、回答途中で迷いにくくなります。一般的には、次のような構成が使えます。
| 区分 | 確認する内容 | 質問例 |
|---|---|---|
| 利用経験 | 商品やサービスを使ったことがあるか | 過去6か月以内に、対象の商品を利用しましたか。 |
| 利用状況 | 利用頻度、利用場面、利用方法 | その商品をどのくらいの頻度で利用しますか。 |
| 課題や不満 | 困っていること、改善してほしい点 | 利用する際に不便だと感じることは何ですか。 |
| 重視点 | 購入や利用で重視する条件 | 商品を選ぶとき、重視する点を選んでください。 |
| 評価 | 満足度、使いやすさ、推奨意向 | 現在利用しているサービスにどの程度満足していますか。 |
| 購入意向 | 今後の購入・利用の可能性 | 今後、その商品を利用したいと思いますか。 |
| 属性 | 分析に必要な回答者の特徴 | 年代、居住地域、職業など |
すべての区分を必ず入れる必要はありません。調査目的に関係しない質問を増やすと、回答者の負担が大きくなり、必要な情報も見えにくくなります。
質問形式をChatGPTに指定する方法
質問形式を指定すると、集計しやすい質問と、詳しい意見を集める質問を使い分けられます。
選択式の質問を作る場合
利用頻度や購入場所など、回答を分類しやすい内容には選択式が向いています。
以下の質問を、集計しやすい単一回答形式にしてください。 ・回答選択肢は重複しないようにする ・必要に応じて「その他」「わからない」「該当しない」を追加する ・選択肢の不足や偏りがあれば指摘する ・質問文と選択肢を表で示す
例えば利用頻度を尋ねる場合、「毎日」「週に数回」「月に数回」のように区切ります。期間や単位が選択肢ごとに変わる場合は、重ならない範囲に調整する必要があります。
複数回答の質問を作る場合
購入理由や不満点など、複数の要因が関係する内容では複数回答を使います。
次のテーマについて、複数回答で答えられる質問を作成してください。 選択肢は代表的な理由を漏れなく示し、最後に「その他(自由記述)」を入れてください。 単一回答にしたほうがよい項目があれば、その理由も説明してください。
複数回答では、選択肢をいくつ選べるのかも指定します。「当てはまるものをすべて」「最大3つ」など、回答方法を明記してください。
5段階評価を作る場合
満足度や重要度を測る場合は、評価の基準をそろえることが大切です。
以下の内容を5段階評価で測る質問にしてください。 評価の両端が何を意味するのかを明確にし、 各選択肢の表現をそろえてください。 満足度と重要度を混同しないように分けてください。
「とても満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「とても不満」のように、評価の方向をそろえます。「満足度」と「購入意向」は異なるため、同じ質問でまとめず、別々に尋ねます。
自由回答を作る場合
具体的な不満や改善案を知りたいときは自由回答が役立ちます。ただし、質問数が多いと回答者の負担が増えるため、重要な項目に絞ります。
回答者が具体的に答えやすい自由回答の質問を3問作成してください。 抽象的すぎる質問と、回答を誘導する質問は避けてください。 各質問について、何を知るための質問かも説明してください。
「何かありますか」だけでは回答しにくいことがあります。「最も不便だと感じた場面を、できるだけ具体的に教えてください」のように、答えてほしい内容を示します。
ChatGPTに質問項目の問題点を点検させる
質問項目を作った後は、生成を続けるのではなく、調査票のレビューを依頼します。特に、誘導質問、二重質問、選択肢の漏れを確認させると改善点を見つけやすくなります。
以下のアンケート案をレビューしてください。 確認する項目: ・調査目的との関連性 ・質問の重複 ・1つの質問で複数の内容を聞いていないか ・回答を誘導する表現 ・回答者にとって意味が曖昧な表現 ・選択肢の重複、漏れ、偏り ・回答しにくい順番 ・回答者の負担 問題のある質問は、 1. 元の質問 2. 問題点 3. 修正案 の順番で示してください。 調査票: [質問項目を貼り付ける]
二重質問を確認する
「価格と品質に満足していますか」のように、1つの質問で価格と品質を同時に聞くと、どちらについて答えたのか分からなくなります。ChatGPTには、複数の論点が含まれる質問を分割するよう依頼できます。
修正後は、「価格にどの程度満足していますか」「品質にどの程度満足していますか」のように、1問1論点にします。
誘導質問を確認する
「便利で人気のある商品を利用したいと思いますか」のように、良い評価を前提にした表現は回答を誘導する可能性があります。「この商品を利用したいと思いますか」のように、評価を含まない表現へ直します。
回答選択肢の漏れを確認する
選択肢に回答者の状況が含まれていないと、無理に近い選択肢を選ばせることになります。「その他」「わからない」「該当しない」を追加すべきか、ChatGPTに確認させると点検の補助になります。
条件分岐のあるアンケートを作る方法
利用経験がない人に満足度を聞くなど、全員に同じ質問を表示できない場合は、条件分岐を設けます。
次の条件分岐を使ったアンケート構成にしてください。 ・最初に対象サービスの利用経験を質問する ・「利用したことがある」と答えた人には、利用頻度、満足度、不満を質問する ・「利用したことがない」と答えた人には、認知経路、利用していない理由、今後の利用意向を質問する ・各質問の対象者を明記する ・分岐の流れを番号で示す
分岐を作るときは、どの回答者がどの質問へ進むのかを表にして確認します。アンケート作成ツールへ設定する前に、各選択肢から行き先が決まっているかをテストしてください。
作成した質問項目をそのまま使わないほうがよい理由
ChatGPTは質問文の案を作れますが、実際の顧客の理解度や調査対象の事情を自動で正確に判断できるとは限りません。また、入力した情報が事実かどうかを確認せずに、一般的な表現や選択肢を補うことがあります。
そのため、次の内容は調査担当者が確認してください。
- 調査目的に直接関係する質問だけになっているか
- 回答者が使う言葉と質問文の言葉が合っているか
- 選択肢が実際の利用状況をカバーしているか
- 回答を誘導する表現や、評価を前提にした表現がないか
- 個人情報や機密情報を必要以上に尋ねていないか
- 質問数と回答時間が対象者の負担に合っているか
- 分析したい内容と回答形式が合っているか
特に、作成者が想定している選択肢だけで回答を構成すると、実際の回答を狭めるおそれがあります。公開前に少人数で試しに回答してもらい、意味が分かりにくい質問や答えにくい選択肢がないか確認すると改善につながります。
目的別に使えるプロンプトの例
新商品の購入意向を調べる場合
新商品の購入意向を調べるWebアンケートを作成してください。 対象者:現在、類似商品を利用している人 目的: ・現在の利用状況を知る ・商品選びで重視する点を知る ・新商品の購入意向と購入条件を知る 質問数:10問以内 形式:単一回答、複数回答、5段階評価、自由回答を組み合わせる 条件: ・購入意向を先に誘導しない ・価格だけでなく、機能、使いやすさ、購入場所なども確認する ・各質問の調査目的と回答形式を添える
既存サービスの不満を調べる場合
既存サービスの利用者向けに、改善点を把握するアンケートを作成してください。 確認したい内容: ・利用頻度 ・利用目的 ・満足している点 ・不満を感じる場面 ・改善してほしい点 ・今後も利用したいか 質問数は12問以内にし、利用者が答えやすい順番に並べてください。 満足度と不満の有無を分けて質問し、自由回答は3問以内にしてください。
最初に確認するべきポイント
まず、調査で知りたいことを「誰の」「どのような行動や意見を」「何の判断に使うために」調べるのかという1文にまとめてください。その内容をChatGPTへ伝え、質問項目、回答形式、選択肢、質問の目的を一緒に出力させます。
その後、誘導表現や二重質問、選択肢の漏れ、条件分岐を点検し、少人数で試行してから本調査に進みます。ChatGPTは質問項目の作成を補助できますが、調査の妥当性を自動で保証するものではありません。







